「一度でいいから空を飛んでみたい」――そんな想いを現実にしてくれるのがパラグライダーです。エンジンを使わず、自然の風だけを利用して大空へ舞い上がるこのスカイスポーツは、静かに風を感じながら景色を楽しめるのが大きな魅力です。

東京近郊にも体験できる環境が整っており、週末のレジャーや観光の一環として参加する方も増えています。ここでは、仕組みや特徴、安全性、体験内容までを分かりやすくご紹介します。

よく間違われるのはハンググライダーとパラセーリングです。 画像を入れる

ハンググライダーは同じに山から飛び出して、上昇気流を捕まえて長時間のフライトができます。メリットはパラグライダーより性能が良いので、同じ高度差では遠くに行くことができます。デメリットは遠くに行ける逆ですが、狭い場所におろしずらいので広い土地がないと難しい、また組み立てと畳むのに30分ほど時間がかかります。

パラセーリングは海上で行うことが多く、船などでパラシュートを引っ張り上昇するものです。地面から離れることなく浮遊体験ができますが、自身で操縦などはできません。

1. パラグライダーの基本構造

パラグライダーは、布製の翼(キャノピー)に空気を取り込み、揚力を生み出して滑空する乗り物です。パラシュートと勘違いする方も多いですが、基本構造はほぼ同じです。目的により布サイズや構造や強度などが異なります。

テイクオフ画像

翼の仕組み

翼の内部に風が入り込むことで形状が保たれ、飛行機と同じ原理で浮力が発生しますが、エンジンなどで加速せずに山の上から滑空することで下降しながら風を受けて進むことができます。なので上昇気流がない場合は徐々に降下して着陸となります。逆に上昇気流があれば何時間でも飛ぶことでき、12時間以上フライトしている方もいます。

翼の画像

動力を使用したモーターパラグライダーもありますが、基本の構造は同じで大きな違いは山の上からではなく平地から上昇することができ、自由にフライトすることができます。通常のパラグライダー(山飛び)は自転車に例えられ、モーターパラグライダー(モーター)はバイクに例えれることが多く、別の魅力があります。

モータの画像

2. 飛行を支える自然の力

パラグライダーでの長時間の飛行を可能にしているのは「風」と「上昇気流」です。

斜面風(リッジリフト)

山の斜面に沿って吹き上げる風を利用し、高度を維持します。海でカモメが”ぷかぷか”浮いているのも見たことはないでしょうか?防波堤にあたった風が、上向きの風に変わり上昇することができます。山でも同様のことがあり、安定して上昇するので初心者の方でも容易に長時間飛ぶことができます。

リッジの画像

熱上昇気流(サーマル)

地面の温度差によって発生する気流に乗ることで、条件によっては何千mも上昇することができます。理屈は簡単でお湯を沸かすと湯気がでますが、この湯気が上昇気流(サーマル)です。実際のサーマルは目に見えませんので経験や地形から予想をして、感じて旋回をすることで留まり上昇していきます。計器である程度の場所はわかりますが、初心者には難しくなぜ自分だけ上がれなのかと悩み、また上昇できたときは楽しい、パラグライダーの一番の魅力です。

上昇気流の画像

3. 他のスカイスポーツとの違い

落下ではなく「滑空」

スカイダイビングのような急降下ではなく、静かに滑空するスタイルです。風を感じながら長時間飛行できる点が魅力です。また一人ですべて完結することが可能なのでヨーロッパではキャンプ道具とパラグライダーだけで登山しながら旅をすることが可能です。

装備がコンパクト

装備は折りたたみ可能で持ち運びも可能です、軽いものだと5kgで収まり、一般的には15kgで登山かばんくらいです。テイクオフに到着してから10分で準備してフライトして、数時間フライトして着陸後も10分で登山かばんくらいに収納して移動することが可能です。

4. 初心者でも参加できる理由

「体力がないと難しいのでは?」と心配される方もいますが、特別な筋力や持久力は必要ありません。タンデムフライト(二人飛び)では90歳以上でのフライトされた事例もあり、一人飛びも78歳から始めたかたいらっしゃいます。

離陸時の動き

体力があるに越したことはありませんが、日常生活ができて、数分走ることが出来る方ならだれでも一人で飛ぶことができます。実は一番難しいのこの風で飛んでよいかの判断能力が大事で、また1年経験したくらいでは判断することができません。

なので一人で飛ぶまでは数日の練習で可能で、はじめてでも飛べる風を待つ時間が実は長いです。何度もフライトを経験して1~2年くらいでパイロット証(車で例えると免許)を取得すれば世界中どこでフライトすることが可能です。

飛行中の姿勢

ハーネスという専用のシートに座り飛行します。姿勢はブランコに乗る感じで、ベルトで落ちないように固定されます。

飛行中は風の影響を受けるので体重移動での操作とブレークコードで操作をします。理屈はシンプルで左を引くと左に旋回し、右を引くと右へ曲がります。旋回中はバンクがかかるので傾いた姿勢になるのではじめは怖いかもしれませんがすぐに慣れます。操作がシンプルなだけに奥が深く、本当に自由自在に操作しようとすると風を予想して対応するのでいくらでも突き詰めることができ、飽きることがなく非常に楽しいです。

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奥山 俊
子供2人の父が世界を目指す 家族を養いながら空を飛ぶ 趣味ではなく人生を賭けた挑戦